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CFOを悩ます新型コロナウィルス(IR Magazine)

2020年4月21日に公表されたPwCの調査報告書によると、米国とメキシコの上場企業のCFOのうち5人中4人が新型コロナウィルス(以下COVID-19)の影響で売上か利益のどちらか、もしくは両方ともに落ちると回答した。財務情報の開示に於いてどのような修正をすべきか、CFO達は時間の経過とともに準備を進めているようだ。

CFOへの聞き取り調査では、これからの決算報告でどのようにCOVID-19の影響を議論すべきか難しいと感じているのはわずか13%で、2週間前に行われた同様のサーベイでは24%という数字だったのと比べるとだいぶ考えの整理がついたようだ。

「ほとんどの企業は、財務部門がテレワークをしながら決算発表の準備をすることに困難を感じるだろう。」とレポートは述べている。通常とは違ったオペレーション上の問題が生じ、会社の業績予想にどう織り込むべきか 、どこまで予想の実現性を説明すべきか悩ましい。

 

サーベイでは、COVID-19の議論を有価証券報告書のどこに記載するか聞いたところ(複数回答可)以下のような結果であった。最も多い回答は「リスク要因」で50%を占めた。次に財務諸表の注釈が47%、そして経営・財務状況が46%となった。ほぼ2/5(37%)が、決算発表時にCOVID-19の影響の議論を投資家へ開示する予定というが、6%は今後の決算資料にその情報を含めることは計画していないという。

各業界全体の活動が停止し、オフィスも閉鎖されリモーワークが余儀されるなか、世界中の企業がCOVID-19の全体的な影響を把握するのに苦労している。この危機への対応として多くの企業は業績予想を修正、もしくは非開示とし、自社株買いや配当の計画も再検討中という。 Intelligize社がSECへの届け出を集計したところ、3月16日から4月12日までの間に341の企業が業績予想を取り下げたという。

PwCの調査では、CFOの81%が今年は売上、利益、またはその両方の減少を予想しているが、「インパクトの度合いは、多くの企業にとって減損の可能性と経営計画の不確実性を増幅している。」とレポートは述べている。また、COVID-19のの影響が以前考えられていたよりも長く続くと予想する回答が増えた。今回は22%の回答者が、今混乱が収まった場合一ヵ月程度で通常どおりのビジネスに戻れると回答したが、 3月9日の週に同じ調査が実施された時には、このような回答者は66%もいた。

PwCによれば、この調査は4月6日から4月8日までの間に行われ、米国とメキシコの313人のCFOと財務担当者の回答に基づいているとのことだ。

(本記事はIR Magazine社の了承を得て掲載しています。)​

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